69-14.須恵器型式のAIによる全自動判定 [69.須恵器の型式をAIで判定する]
これまで須恵器の型式による形態変化をAIで作成したガウス曲線で見える化を計り、須恵器の図面・写真から得た指標と照らし合わせて型式の判定を行ってきた。「須恵器の型式をAIで判定する」と唱えたかぎりは、最後の型式判定までパソコンで行えるようにしなければならない。私が確立した須恵器型式のAIによる全自動判定システムについて、はそうの口径/胴径(MD/BD)のガウス曲線を例にとり説明する。ガウス曲線(Z417)の赤線が平均値(A)、緑帯が平均値±1σ、青帯が平均値±1.5σである。統計的にみると、平均値±1σは基礎資料の68%を含み、平均値±1.5σは87%を含む範囲である。
型式を判定するはそうのMD/BDを平均値(a)が1.3、標準偏差(σ)が0.1であったと仮定する。赤点線が平均値、上の黒点線がa+1σ、下の黒点線がa-1σである。Hen-No1~13において、赤点線・黒点線が緑帯の範囲にあれば2点、青帯の範囲にあれば1点、白の範囲にあれば0点と判定する。Z418にHen-No毎に得点の合計と比率を示した。これらをエクセルで自動計算するプログラムをZ419に示した。
この方法ではそうの口径/胴径(MD/BD)、頸径/胴径(ND/BD)、頸長/胴長(NH/BH)、頸径/全長(ND/TH)の4指標について同じプログラムで行を揃えて横並びに作り、その最後に4指標の小計を合計する。4項目24点満点で、Hen-No毎にその得点比率を計算し、その比率の最も高かったHen-Noが、その資料の型式である。藤ノ木古墳出土のはそうの型式をAIで自動判定した結果をZ420に示した。
須恵器の形状を示すガウス曲線の平均値(A)は器種・指標によって異なっているが、型式判定のプログラムは全ておなじである。Z421に、坏身・はそう・無蓋高坏・有蓋高坏のHen-No毎のガウス曲線平均値(A)と標準偏差(σ)を示した。この値をもとにすれば須恵器の型式を自動計算するプログラムがエクセルで作成できる。
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