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27-9.カリガラスはタイランドで誕生 [27.古代ガラスの源流を探る]

G29東アジアEC.jpgエッチド・カーネリアンは東南アジアの諸国、ミャンマー・タイ・ベトナム・中国雲南省などからも出土している。図G29にそれらの遺跡を示す。この図は東南アジア諸国のすべてのデータを網羅しているとは限らないが、タイのエッチド・カーネリアンの出土が際立っている。その中でも、タイ中西部のカンチャナブリ県にあるバンドンタペット(Ban Don Ta Phet)遺跡からは、色々の形や模様をした約50個のエッチド・カーネリアンビーズ出土している。これらにはインドには存在しない形や模様があり、バンドンタペットあるいは東南アジアで製作されたものではないかと考えられるようになって来ている。 

G30タイガラス.jpg図G30は古代のガラスが出土したタイの遺跡で、No3がバンイェン遺跡、No22がバンドンタペット遺跡である。これらの遺跡が35か所もあることは驚きであるが、注目すべきはエッチド・カーネリアンが出土しているタイの多くの遺跡から、ガラスビーズが出土していることだ。その一つの遺跡であるバンドンタペットからも、3000個の色々な色のガラスビーズが出土している。バンドンタペットの年代については、ガラスビーズと青銅器や鉄器が共に出土しており、当初鉄器時代の後半の紀元前50年から紀元後250年と考えられていた。それはガラスビーズが、インドの南東部にあるローマ帝国(紀元前27~後395年)と交易のあった遺跡、アルカメドゥ(
arikamedu)から来たと考えられていたからだ。 


G31arukamedu.jpgしかしながら、バンドンタペットの土器から採取した有機物5点の放射性炭素(C14)を年代測定した結果、紀元前390~前360年という値が出て来たことから、バンドンタペットでのガラス作りが、アルカメドゥより古いのではないかとの意見も出て来ている。アルカメドゥとバンドンタペットの両者には、オリエントガラスやローマガラスにはないカリガラスがある。カリガラスと言う事にかぎって言えば、ローマを抜きにして考えなければならない。タイでカリガラスが誕生したと、私は考えている。

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