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27-2.ローマガラス [27.古代ガラスの源流を探る]

G3ローマガラス.jpgガラスはローマ帝国(紀元前27~後395年)に伝わり、ローマガラスとして大きな発展を遂げる。前1世紀後半ローマ領シリア地方において、外側の形状の型を作り、溶かしたガラスを吹き込んで成型する型吹き法が発明された。そして、その技法はローマに伝わり、溶けたガラスを鉄製のパイプの先につけ、息を吹き込んで自由に成形する、宙吹き法が確立した。この吹きガラスの技法により、ガラスの量産が可能となり日用品も増加した。もちろん、装飾品として価値のある高級品も造られ続けられ、装飾技法も多様化し、切子(カット)や研磨、溶解したガラス紐の溶着、エナメル顔料の絵付けなども行われた。 

ローマガラスの製作地はローマ、イタリア南部のクマエ、
地中海東岸のシドン、エジプトのアレキサンドリアであった。これらの製作地で作られたガラス器は、香水・香油・食物などを入れる瓶壺類と飲食器が主体で、模造宝石や装飾品、モザイク、そしてガラス塊があった。ローマの勢力拡大に伴って、ローマガラスが交易品として世界の各地にもたらされた。図G5に由水常雄氏の「ガラスの道」に記載された、「ローマ・グラスの分布状況および交易ルート」を示す。 (クリツクすると大きくなります)
G4ローマガラス.jpgG5ローマガラス.jpg












メソポタミアで起こったガラス製造技術は、シリア・エジプト、そしてイタリア半島と広がった。これらの地域で製作されたガラスの全てが、ソーダ石灰ガラスで、その組成はソーダ灰(
Na2O)と生石灰(CaO)、そして石英砂(シリカ・SiO2)である。特に石英砂を低温(790℃)で溶融させるアルカリ原料のソーダ灰が重要で、海岸近くの植物や砂漠の灌木などの植物灰や、エジプトで採れる天然ソーダ(Na2CO3)の鉱石・ナトロンが原料として使用されている。
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