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20-3.直線の端に鉛鉱山がある [20.青銅器の鉛同位体比の秘密]

同種・同形の青銅器の鉛同位体比分布図に直線が現れるのは、鉛の同位体の割合が、変化しているように、私には思えてならない。鉱石の製錬・青銅器の溶解・鋳造の過程で800度以上の熱を受ける。その熱履歴が鉛の同位体の割合に変化をもたらすのだ。それが証拠に、膨大な鉛同位体比の測定の中で、遺物の鉛同位体比と鉱山の方鉛鉱の鉛同位体が一致したのは、海の中道遺跡出土の鉛錘・鉛板であり、青銅器ではない。鉛の融けるのは327度、方鉛鉱から鉛を取り出すのは、それ程温度を上げる必要がなかったのであろう。そのため、鉛の同位体の割合が変化しなかったと考える。 

同位体の割合が変わることを、同位体分別と言う。鉛の沸点は高いが蒸発し易いので、蒸発時質量の軽いものが蒸発し易く、質量の重い物が残り、同位体分別は起こりうる。しかし、青銅器の鉛同位体比が作る直線は、それをはるかに超えたものであり、現在の物理学では証明出来ないのである。
 馬淵氏も新井氏も専攻が物理学である。だから、物理学の掟破りは出来ない。私は工学部、理論より事実が先行する。私の座右の銘は「事実に即して考える。(マルクス)」である。鉛の同位体の割合が、変化すると仮定すると、「青銅器の鉛同位体比が作る直線帯の端に、鉛鉱山がある」ことになると考える。 

中国の戦国時代は、それぞれの国が独自の青銅貨幣を鋳造している。燕の刀銭、斉の刀銭・円銭、魏の円銭、秦の半両銭、楚の蟻鼻銭等である。その戦国貨幣の鉛同位体比が測定されている。その測定の狙いは、それぞれの国の青銅貨幣に含まれる鉛の同位体比を測定すれば、それは、その国にある鉛鉱山と鉛同位体比が一致するに違いないとの思惑であったと思われる。しかしながら、戦国貨幣の鉛鉱山が比定された所は、一箇所もない。
 

図B12のa~fを見て頂きたい。私の言う、「青銅器の鉛同位体比が作る直線帯の端に、鉛鉱山がある」を考えれば、戦国5ヶ国の鉛同位体比が、その国の鉛鉱山の鉛同位体比とみごと全て一致している。ちなみに、鉛鉱山の測定値はそれぞれの国で2~3ヶ所あるだけだ。それでも、5ヶ国の全が一致するのは、仮説が真実に近いと言う事になると考える。
 
B11a戦国7雄.jpgB11b燕.jpgB11c済.jpg







 

B11d魏.jpgB11e秦.jpgB11f楚.jpg









9月末、光より速い素粒子、ニュートロンが見つけられたとの報道があった。物理学はこの事実を検証するとともに、もしそうであったら、アインシュタインの相対性理論を越える理論を打ち建てねばならない。物理学というのは、そもそも現象が先行し、理論が後追いする学問だと思う。物理学上認められないといっても、現象がそれを証明している場合、理論が後追いしてくるものだと考える。
 


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