SSブログ

67-2.全ての前方後円墳の年代を求める [67.古墳時代は前方後円墳の時代]

「64.古墳の年代をエクセルで決める」で記したように、143種の遺構・遺物の編年を定め、古墳の遺構・遺物と照らし合わせて、古墳の年代を決めてきた。6305基の全ての前方後円墳について、一基ずつその年代を決めるのは気の遠くなるような作業となる。そこで一挙に全ての古墳の年代と年代を決めた要素をエクセルで見つけるプログラムを開発した。プログラムのポイントは、古墳の年代(○○年〜ⅩⅩ年)を導き出すに、開始年(○○年)と終了年(ⅩⅩ年)の二つの古墳コードを作ることにあった。開始年の古墳コードの作成は、編年表の遺構・遺物の開始年を遅い順に並べ、古墳の遺構・遺物の情報よりSearch命令でその有無(1,0)をコードにする(「64-4.古墳の遺構・遺物の有無をコード化」参照)。最初の有(1)の順番をSearch命令で探し、Lookup命令でその年代・要素を導きだす。終了年の古墳コードの作成は、編年表の遺構・遺物の終了年を早い順に並べ、後は同じである。6305基の古墳名称、所在地、遺構・遺物情報の一覧から、1分以内で全ての前方後円墳の年代と年代を決めた要素を示すことが出来た。

Z297.遺構遺物矛盾古墳.png

前方後円墳の全ての年代を導きだしたが、その年代が終了年より開始年が遅いという矛盾が生じたのはZ297に示す29基のみで、その矛盾が生じた原因も、副葬品として普及する以前に海外から持ち込まれたと考えられる「舶載異常」、本来その古墳の副葬品でない後世のものが副葬品として混入した「遺物混入」、古い古墳の上に新しい古墳が築かれた「新旧混合」である。横穴式石室からは複数の型式の須恵器が出土するが、最も古い型式とそれに続く1型式のみ築造時のものとし、2型式以上離れているものは追葬時のものと仮定した。古い型式とそれに続く1型式で年代決定に矛盾が生じたのは「追葬混入」とした。名称が同じで別種と考えられる「同名別種」、前世の遺物が何らかの要因で後世の古墳に副葬品として供えられた「伝世」、型式や品目の判定に疑問がある「判定」などがあり、それを取り除くと正常な年代が決定できた。これらより、私が編年した143種の遺構・遺物の年代に矛盾が無いことが証明できた。




nice!(2)  コメント(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。