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C-3.世界各国の感染指数動向 [番外:新型コロナ感染指数で解く]

政府は5月14日夜の新型コロナウイルス対策本部で、緊急事態宣言を39県で解除することを決定した。そして、東京・大阪など8都道府県は特定警戒を維持した。39県を解除した理由として、新規感染者が直近1週間の合計で10万人当たり0.5人以下に抑えられていることを挙げている。これまでの新型コロナの報道は、新規感染者については全て1日当たりの人数であり、単位を変えられると今までと比較できない。直近1週間の合計で10万人当たり0.5人以下とは、百万人あたり0.71人/日で、全国90.4人・東京10人・大阪6.3人1ある。全国の値(目標値)は私の想定とほぼ同じであるが、東京は4分の1、大阪は3分の1と非常に厳しいものである。

 C8-1~3.日本RxP.png

解除条件を全国・東京・大阪の感染指数(RxP)に記載したのが、C8①~③である。5月13日(右端)段階で、日本全体ではトゥエンティワン(青線)とセブン(赤線)の両者とも目標値以下で、解除条件に適合する。大阪ではトゥエンティワンはまだ目標値に達していないが、セブンが目標値を下回っており、近々解除条件に適合すると予想される。東京は両者共に目標値を上回っており、解除条件に達するまであと一息である。

 

新型コロナウイルスは瞬く間に世界中に感染拡大し、各国ではその対策として様々な規制を行ってきた。感染拡大が沈静化しつつある現在、各国はその規制を解く時期・条件に苦慮している。日本政府が決めた、新規感染者が直近1週間の合計で10万人当たりお0.5人以下が、どんなレベルであるか、各国の感染指数(RxP)に記載してみた。

 

感染指数を計算するためのデータは、NHKなどが使っているジヨンズ・ホプキン大学の集計を利用した。データは1月22日~5月13日で、計算値が出るのは3月2日~5月13日である。ジヨンズ・ホプキン大学のデータには、266の国あるいは地域の記載があるが、その中から人口や感染者を参考に、中国は省いて50ヶ国を選んだ。カナダ・オーストラリアは国全体の表記がないので、もっとも患者数の多い地域、カナダはケベック州、オーストラリアはニュウサウスウェール州とした。

 C8-4~6.世界RxP.png

C8-10.世界RxP.png50ヶ国の中で、新規感染者が直近1週間の合計で10万人当たりお0.5人以下の条件を満足したのは、タイランド・オーストラリア(ニュウサウスウェール州)・ニュージーランド・韓国・台湾・香港の6ヶ国のみで、イスラエルが大阪と同じで、トゥエンティワンはまだ目標値に達してないが、セブンが目標値を下回っており、近々解除条件に適合すると予想される。韓国・台湾が新型コロナに対して行った施策はテレビで度々放映されているが、そのスピード・緻密さ・徹底振りは、日本は足元にも及ばない。イスラエルは戦時下にあり、なるほどと思わせる。

 C8-7~9.世界RxP.png

C8⑪~⑬に示したのがヨーロッパの優等生、ドイツ・スイス・オーストリアの3ヶ国。日本政府の条件にあと一歩だが、その一歩がなかなか達成出来ないことが読み取れる。これほど難しい条件だが、東京都は達成できるだろうかと心配になる。直近の16日までの数字で計算すると、16日にはセブンが目標値に到達した。予測では、トゥエンティワンが目標値に到達するのは5月21日。安倍首相は21日を目途に専門家の評価を受け、可能であれば31日を待つことなく解除すると言っている。

 C8-11~13.世界RxP.png

中国に続いて、爆発的な感染拡大をおこしたのがイタリア、そしてフランス・スペイン、その後ヨーロッパ全土に広がった。それらの国が現在どうなっているのか、C9①~③にイタリア・スペイン・オランダを示した。なお、フランスはデータの修正が多く、そのため曲線が乱れており除いた。3ヶ国とも徐々に感染が収束に向っている。

C9-1~3.世界RxP.png


ヨーロッパで感染が収まらないのがC9④のイギリス、ジョンソン首相自らが感染したことが影響したのであろうか。行動の規制を設けなかったC9⑤のスェーデンは、爆発的な感染拡大はないけれど、2次感染、3次感染が起きている。国民の多くが抗体を持つのを待っているのであろうか。C9⑥のデンマークは海を隔ててスェーデンと向き合っている。両者のカーブはよく似ている。

 

C9-4~6.世界RxP.png

最後に最も心配なC9⑦~⑨の3ヶ国。ロシアは爆発的な感染は止まったものの毎日1万人の新規感染者がでている。また、セブン(赤)を見ると、二次感染が始まったようだ。ニースでは規制を解いて産業優先の活動を始めたようだ。トランプ大統領は消毒液を飲めば良いといったが、プーチン大統領はウォッカさえ飲んでいれば大丈夫と思っているのだろう。ブラジルのボルソナ大統領は、新型コロナは怖くない、外出自粛はするなと公然といっている。この破れかぶれの戦法が凶と出るか吉と出るか。RxPのグラフは凶と言っている。アメリカのRxPのグラフはきれいな正規分布の形をしている。これをみると、ニューヨーク州のクモオ知事が必死で感染拡大を食い止めようとしたことが伺える。毎日2万人の新規感染者が出ても、実効再生産数は0.89。トランプ大統領は実効再生産数の値をみて、経済活動の再開をもくろんでいるのだろう。実効再生産数も罪なことをするものだ。

C9-7~9.世界RxP.png

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