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67-4.古墳の規模(墳長)は階層性を表わす [67.古墳時代は前方後円墳の時代]

Z300.古墳の階層性.png6305基の全ての前方後円墳(含む前方後方墳)の墳長について調査した。
古墳の規模(墳長)は階層性を表わすと言われており、その分布がヒエラルキー
(ピラミット型の段階的構造)になるよう墳長を区分し、規模別の古墳数を表
Z300に示した。墳長が125m未満から25m以上では、25m毎の区分
間隔で、規模が1ランク下がるごとに古墳数は2〜3倍になっており、古墳の
規模(墳長)は階層性を表わすことは明確である。

 
Z301.古墳の階層性2.png大阪大学名誉教授であられた都出比呂志氏は前方後円墳体制と称して、図Z301のような古墳の階層性を唱えている。都出氏の著書『古代国家はいつ成立したか』には、「古墳時代を通じて墳形には前方後円墳、前方後方墳、円墳、方墳の四つの基本形があります。それぞれの墳形の最大のものを比べると、図に示すように左のものほど優位に立っています。しかし、同じ墳形にも規模の差があります。したがって、被葬者の身分は墳形と規模との二重の基準で表現されたと思います。」とある。

 

私はこの考えに疑問を持っている。それは、前方後方墳は表Z300 に示すように前方後円墳の8%でヒエラルキーの構造になってなく階層性はないと思える。もちろん身分制度において、小集団が差別化されることはあるが、前方後方墳がある特定の集団であるようには見受けられない。それよりも、九州南部の鹿児島・宮崎・熊本・大分と中国西端の山口には前方後方墳が全く無く、前方後方墳の比率の高いのは日本海側の山形25%・新潟55%・富山42%・石川34%・島根29%と東北の太平洋側の宮城24%・福島23%で地域性が強いことが分かる。前方後方墳は前方後円墳の変形の一つと言える。また、方墳は円墳の10%割程度で階層性がなく、方墳は円墳の変形の一つと言える。前方後円()墳に対して円()墳の数は20倍程あり、円()墳が下位にある階層性が認められるのはもちろんのことである。


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