呉の紀年銘鏡が2面日本で出土している。山梨県取居原古墳出土の赤烏元年銘鏡と、兵庫県安倉古墳出土の赤烏七年銘鏡の対置式神獣鏡である。日本で出土したものではないが、呉の紀年鏡が日本で保有されている。黄武元年銘神獣鏡(五島美術館蔵)と黄武二年銘の神獣鏡(個人蔵)である。
中国社会科学院考古研究所の前所長の王仲殊氏は、「三角縁神獣鏡は魏王朝から賜与されたものではなくて、当時日本に渡来した呉の工人によって、日本で製作されたものである。」と講演し、日本の考古学会に大きな衝撃を与えた。この王仲殊氏は「三角縁神獣鏡」という本を出版されている。この本に「日本出土の呉鏡」という論文がある。 その中で、「日本で出土する大量の中国の銅鏡の中で、確かに呉鏡であると認められるものは、神獣鏡、画像鏡、仏像夔鳳鏡の三類に大別できる。」として、具体的な鏡について言及している。その中に大阪府和泉市黄金塚古墳東槨より出土の画文帯環状乳神獣鏡がある。
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