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C-4.日本には神風が吹いている [番外:新型コロナ感染指数で解く]

政府は5月14日、新型コロナウイルスの新規感染者が直近1週間の合計で10万人当たり0.5人以下に抑えられていることを基準にして、緊急事態宣言を39県で解除することを決定した。そして、特定警戒地域として残った東京・大阪も5月17日の段階で新規感染者は大阪3.4人/日(目標6.3)と目標をクリアし、東京は15.9と(目標10.0)あと一歩の所まで来ている。前節でみるように、私が作成した感染指数(RxP)で見ても、日本政府が定めた新型コロナの新規感染者数の目標レベルは世界的に見て非常に厳しいものである。それにも関わらず、日本は平然とそれを達成しようとしている。日本は世界から称えられてよいと思うのだが、そのようなこともないようだ。

 C8-1~3.日本RxP.png

米外交誌フォーリン・ポリシー(電子版)は14日、東京発の論評記事で、日本の新型コロナウイルス感染対策はことごとく見当違いに見える。ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)の確保も中途半端で、感染防止に有効とされるウイルス検査率も国際社会と比べ低い。しかし、結果は奇妙にもうまくいっているようで、死者数が奇跡的に少なく、世界で最も死亡率を低く抑えた国の一つである。「結果は敬服すべきもの」とする一方、「単に幸運だったのか、政策が良かったのかは分からない」と述べている。

 

日本の感染者数は5月13日現在1.6万人で、世界でワースト35位である。死亡率4.2%は世界でワースト59位である。イギリスは感染者数23万人・死亡率14.4%、フランスは17.5万人・15.4%、ドイツ17.4万人・4.5%、アメリカ139万人、6.0%である。今までおこなったPCR検査数では日本は約21万件、それに比べてイギリスは約180万件、フランスは約130万件、ドイツは約280件、アメリカは約930万件と膨大である。PCR検査数・感染者数・死亡率をみると、フォーリン・ポリシーの怨み節のような論評も分かるような気がする。

 

4月初め頃、マスコミは日本の感染者数が少ないのは、PCR検査数が少ないからで、潜在的陽性者は感染者の数倍、あるいは数十倍いるとの議論がなされていた。当時、死亡率は日本が2%代、イギリス・フランス・イタリアが10%程度であつたことから、私は日本の潜在的陽性者はそれほど多くないと踏んでいた。それは、もし潜在的陽性者が10倍あったとしたら、日本の死亡率が0.2%代になってしまうからであった。マスコミに登場した学者・医師のなかで、そんな話をされた方はおられなかった。

 c-10.各国のコロナ死亡率.png

5月13日現在の世界各国の新型コロナの死亡率(累積死亡者/累積感染者数)を図C10に表した。C10は、人口が5百万人以上、感染者が千人以上の条件で選別した80ヶ国で作成している。赤が死亡率10%以上、ピンクが~6%、黄が~5%、緑が~1%、青が1%未満である。日本の死亡率はワースト37位である。10万当たりの死亡者でみるとワースト73位である。

 

C-11.各国の一人あたりGDP.pngC11は、対象の80ヶ国を1人当たりのGDPで色分けした。赤が4万US$以上、ピンクが~9千$、黄が~4千$、緑~2千$、青が2千$未満である。日本はベスト22位である。C10と照らし合わせると、死亡率が10%以上と高いのは1人当たりのGDPの高い、医療体制の整った先進国のヨーロッパである。逆に1人当たりのGDPの低い、医療体制が整っていない開発途上国、特にアフリカは死亡率ガ低い。マスコミはアフリカにコロナが感染拡大すると大変なことになるといっていたが、現実は反対になっている。死亡率は医療体制には関係ないのであろうか。

 C-12.10万人-感染者数.png

-12は、人口10万人当たりの感染者数(累計)である。赤が250人以上、ピンクが~75人、黄が~25人、緑が~10人、青が10人未満である。C-10と比較すると、人口10万人当たりの感染者数が多いところほど死亡率が高くなり、感染者数が少ないところほど死亡率は低くなっている。このことは何を意味するのであろうか。

 

C-13.各国のBCG政策.png豪州在住のJUNSATO(ジュン・サトウ)氏は2020326日のブログに「BCGワクチン接種は新型コロナに有効か」という論文を発表した。サトウ氏は医学の専門家ではないものの、過去にBCGに関わる仕事をした経験を持つ方のようだ。この論文については、ニユーヨーク・タイムスも「古いワクチンは新型コロナウイルスを止めることが出来るのか」という記事を掲載している。また、専門家の間でも話題となっている。

 

この論文の要旨は、「BCGの予防接種を受けている国の方が、受けていない国よりも感染の拡がりが遅い。」というものだ。免疫学の第一人者で、大阪大学名誉教授の宮坂昌之医師はサトウ氏のデータを基に改めて独自に解析したところ、感染の拡がりだけでなく、死亡率にも同様の傾向が見受けられたそうだ。

-13は世界各国のBCG予防接種政策を示した地図である。

A(茶):現在、国民全員にBCGワクチン接種プログラムを実施している国

B(紺):以前は国民にBCGワクチン接種を推奨していたが、現在はしていない国。(各国がやめた年は、スペインが1981年、ドイツが1998年、イギリスとフランスが2005-2007年、その他にスイス・オーストリア・デンマーク・スエーデン・オーストラリア・エクワドル)

C(赤)::国民全員に対するBCG予防接種プログラムを一度も実施したことがない国。(アメリカ・カナダ・イタリア・オランダ・ベルギー)

 

私は、ジヨンズ・ホプキン大学の5月13日付けのデータから156ヶ国のを撰び、サトウ氏の論文を検証した。Bに該当する10ヶ国とCに該当する5ヶ国は、10万人当たりの感染者数でみると、カナダ・オーストラリアを除く13ヶ国が、156ヶ国中ワースト30位以内に入り、特にBCG予防接種を一度も実施しなかったアメリカ・イタリア・ベルギーの3ヶ国はワースト10に入っている。また、感染者中の死亡率はワースト10にワースト35位以内に10ヶ国が入り、BCG予防接種を一度も実施しなかったイタリア・ベルギー・オランダの3ヶ国はワースト10に入っている。過去のBCG予防接種が新型コロナの感染に免疫効果をおよぼすか、専門家の答えは出ていないが、効果があるような気がする。

 

サトウ氏は、BCG予防ワクチンの株(系統の違い)の種類によって、その効果が違うそうだ。C14は、予防接種に使用された株の分布図である。中でも紺色のロシア株と水色の日本株は最も効果的であるといわれている。ドイツは旧東ドイツではBCGはロシア(ソビエト)株を使用し、旧西ドイツは西欧株を使用し、1998年に接種の義務付けを中止しました。図C15は、3月24日現在のドイツの州ごとの感染者数である。感染者が多いほど色が濃く、旧西ドイツと旧東ドイツがはっきり分かれている。中でも旧東ドイツのベルリンがくっきりと島のように現れている。人口10万人あたりの新型コロナ死亡者は、旧西ドイツでは0.35人、旧東ドイツでは0.11人、ベルリンは東と西の合体で0.21ときれいに分かれている。

 

C-14.各国のBCG株.png

中東のイランとイラクは隣り合った国だが、C-14に見る通りイランが使用したBCGの株は現地株で、イラクは日本株である。5月13日現在で、10万人当たりの感染者はイラン136.9人、イラク8.0人、10万人当たりの死者数はイラン8.2人、イラク0.04人である。イランは現在経済封鎖を受けているといえども、イラクに比べると医療体制ははるかに整っていると想像することが出来る。それなのに、新型コロナの感染者・死亡者がこれほど少ないのは、BCGの日本株の効果であるかのような気になってくる。

 

C=16.タイの感染指数推移.png前節で私は日本政府が5月14日に出した緊急事態宣言解除の条件「新型コロナウイルスの新規感染者が直近1週間の合計で10万人当たり0.5人以下であること」を満足している諸外国があるかを、感染指数(RxP)の推移で調べた。C-16の横点線が10万人当たり05人以下の基準値である。主要50ヶ国の中で条件を満足したのは、日本を含め7ヶ国で、その中にタイランドが入っている。C-14でみるとタイランドのBCGは日本株を使用している。

 

米外交誌フォーリン・ポリシー(電子版)は14日、東京発の論評記事で、日本の新型コロナウイルス感染対策はことごとく見当違いに見える。ソーシャル・ディスタンス(社会的距離)の確保も中途半端で、感染防止に有効とされるウイルス検査率も国際社会と比べ低い。しかし、結果は奇妙にもうまくいっているようで、死者数が奇跡的に少なく、世界で最も死亡率を低く抑えた国の一つである。「結果は敬服すべきもの」とする一方、「単に幸運だったのか、政策が良かったのかは分からない」と述べている。日本には新型コロナについて神風が吹いている。それがBCGの日本株としたら納得出来るのだが。神風の正体がなにであるか、国民も外国人も求めている。

 

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投稿が1日遅れてしまい申し訳ありませんでした。徹夜でガンバリました。データ・図表・文章の全てが出来たてのホヤホヤです。

 


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