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69-2.須恵器の形態変遷は曲線で表せる [69.須恵器の型式をAIで判定する]

須恵器の形態の変遷について私が知っていることと言えば、坏身(つきみ)の立上りは時代と共に低くなる。はそうの頸の長さと高坏(たかつき)の脚の長さは時代と共に長くなることくらいである。これらの形態の変遷がどう変化しているかを散布図に表わすことから始めた。これらのデータは、『和泉陶邑窯出土須恵器の型式編年』(中村浩著)と『古墳出土須恵器集成 第1巻』(中村浩編)の大阪府・和歌山県から須恵器の図面を抽出し、パソコンのペイントにコピーして須恵器の各部分の座標を読んで数値化した。なお、はそうにかぎってはデータが少ないので、『古墳時代の研究 土師器と須恵器』にある岡山・広島からデータを追加し抽出した。

 

坏身の立上りの型式別形態変化は“立上り/器高(KH/CH)”、はそうの頸の長さの変化は“頸長/胴長(ND/BH)”、無蓋高坏の脚の長さの変化は“坏部長/脚長(CH/LH)”で縦軸に、横軸は“編年No(Hen-No)”で表し、散布図(Z363)に示した。どの図を見ても同じ型式内でのバラツキが大きく、その型式の前後と重なりあっている部分が多い。しかし、大きく見れば夫々の形態は“うねり”のような変化をおこしていることが分かる。この形態変化の変遷の“うねり”を曲線にしてあらわせば、須恵器研究のプロでなくても須恵器の型式を判定することが出来るようになると思われる。

 

散布図のデータを統計的に処理し、回帰曲線(中心的な分布傾向を表す曲線)を導きだすことは、Python(パイソン)と言うAIなどを作るプログラムで可能である。これまでも「67-9.古墳の編年の年代観は正しいか?」で、日本列島の主要な古墳の編年を行った51名の考古学者の年代観を知るために、回帰直線を導き出した。ただ、今回は直線でなく、曲線であることが難しい所である。

Z363.須恵器の形態変遷.png

 

Pythonを勉強していると、機械学習という分野でガウス関数を使用すれば、散布図のデータから回帰曲線を導きだすことが分かった。ガウス関数という内容は良く分からないが、須恵器の形態変化を示す“うねり”の回帰曲線を導きだすことが出来ることは分かった。そして、標準偏差(シグマ、σ、SD)も算出されることから、中心曲線から±1σの曲線を描けば、異常値等を取り除いたデータの68%を包含する曲線を描くことが出来た。散布図のデータをpythonのガウス関数のプログラムに取り込み、須恵器の型式別形態ガウス曲線を描き図Z364に示した。赤が中心の曲線で緑が±1σの曲線である。これで、須恵器の型式による形態変化を曲線の帯として表せることが出来た。

Z364.須恵器の形態ガウス曲線.png

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