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63-7.『書紀』は900年歴史(編年)を延長している [63.『日本書紀』の編年をエクセルで作る]

『書紀』は、神武天皇を釈迦より昔に我が国を建国した天皇であるとするために、綏靖天皇から開化天皇の崩御までの「欠史8代」と呼ばれる天皇を創作して、484年間を挿入している。それでは、10代の崇神天皇から19代の允恭天皇までの歴史(編年)が延長された時代は、何を目的に延長したのであろうか。『書紀』は、神武天皇を「始馭天下之天皇」(始めに国を統一した天皇)とし、崇神天皇を「御肇国天皇」(始めに国を治めた天皇)としている。崇神天皇の元年、紀元前97年も意味のある年のはずである。『書紀』が記した日本(倭国)の歴史で、朝鮮半島の三国(新羅・高句麗・百済)との関係が随所に出てくる。この三国の建国は、新羅が紀元前57年、高句麗が前37年、百済が前18年である。「御肇国天皇」とする崇神天皇元年を、朝鮮の三国で最も古い新羅の建国より前にしている。崇神天皇から允恭天皇までに、歴史(編年)が延長されているのは、このためであると考える。

 

『書紀』に記載された記事のうち、欠史8代と挿入記事を取り除いた記事には、潤色はあるだろうが、伝承されてきた事柄が記載されていると思う。『書紀』に記載された記事を信じるが、編年された年月は信用出来ない。この矛盾を解決する解は、記事と記事の間の空白期間で編年を延長していると考えることだ。空白期間を短くすることだけならば、『書紀』に記載された記事を恣意的に選別することなく、全ての記事を含んだ編年を作成することが出来る。

 

空白期間を調べる作業に取り掛かる。Sheet4のJ列の先頭行に「記事無」の見出しを付け、A列からJ列までをドラッグして、「並び替えフィルター」の「ユーザー設定並び替え」を選択。「先頭行をデータの見出しとして使用」にチェックをいれ、最優先キーに「記事有」を選び、「OK」をクリックする。すると「記事有」が「1」と「0」、そして「スペース(空白)」の3グループに分かれる。「0」と「スペース」のグループの「記事無」のJ列に「1」を書き込み、そのあと最優先キーを「皇紀」、順序を「昇順」にとして並び替える。K列の先頭行に「空白年数1」の見出しを入れ、2行目(皇紀1年)に「0」を書き込み、3行目に「=IF(J3=1,K2+1,0)」の命令をインプットし、それをコピーして最後の行(皇紀1357年)まで貼り付ける。K列をコピーして、どこかの列に値だけ貼り付け、その列を切り取ってK列に貼り付け固定化する。

 

A列からK列までをドラッグして、最優先キーに「皇紀」、順序を「降順」にして並び替えを行う。L列の先頭行に「空白年数2」の見出しを入れ、2行目(皇紀1357年)に「0」を書き込み、3行目に「=IF(J3=1,L2+1,0)」の命令をインプットし、それをコピーして最後の行(皇紀1年)まで貼り付ける。L列をコピーして、どこかの列に値だけ貼り付け、その列を切り取ってL列に貼り付け固定化する。最優先キーに「皇紀」、順序を「昇順」にして並び替えを行う。  

 

M列の先頭行に「空白期間」の見出しを書き込み、2行目に「=K2+L2」の命令をインプットし、コピーして最後の行(皇紀1357年)まで貼り付ける。A列からM列までをドラッグして、最優先キーに「空白期間」で順序「降順」、次に優先キーに「皇紀」で順序「昇順」として並び替えを行う。この作業によって、記事と記事の間の空白年数の大きい順に並ぶことになる。私は、空白の期間が4年以上(M列の値で5以上)は編年を延長している期間であると考えた。M列の値が「5」以上のものを切り取ってSheet6に貼り付ける。

Z220.編年延長の空白期間.png

 
Z219.延長された空白期間.pngheet6のJ列「記事無」の最後に「=SUM(J2:J417)」の命令を入れると416の答えが出て、延長された空白期間の合計が416年であることが分かる。Z219に天皇ごとの延長された空白期間を示す。「欠史8代」の期間が484年間で両者を合わせると、『書紀』が歴史(編年)を延長した年数は、驚くことに丁度900年となる。900年は干支の60で割り切れる値であり、偶然に積み上がった数字ではなく、『書紀』の編纂者が意図的に積み上げた数字であると思う。


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