41-5.須恵器の編年表 [41.古墳時代の3期区分を考える]
古墳の年代を決めるには、古墳の形態・埋葬施設・埴輪・副葬品について、それらの実在した年代や型式の年代を編年して行かなければならない。中でも、円筒(朝顔形)埴輪の型式と須恵器の型式は年代決定の重要な要素である。図K12に表わされた円筒埴輪の型式と須恵器の型式の関係は、最も新しい情報が取り入れられていると思われる。ただ、これを鵜呑みにするのでなく、自分自身で事実を掴んでみようと、1739基の古墳のデータベースより、須恵器の型式(TK73~TK10)が分かっている203基の古墳を抽出した。その中で円筒埴輪の型式(Ⅳ式・Ⅴ式)が分かっている古墳は94基であった。表16にそれらの結果を示す。表は小文字一文字が1基の古墳のデータ、大文字は5基の古墳を示す。同じ列で上下に文字がある場合は同一古墳で両方の型式が共伴していることを示している。(*/+:TK73とTK216が1基の古墳で共伴、N/D:MT15 とTK10が5基の古墳で共伴)
表K16からすると、円筒埴輪Ⅳ式とⅤ式が共伴するのは2基の古墳だけであるが、須恵器はTK73とTK216で2基、TK208とTK23で2基、TK23とTK47では7基、TK47とMT15では5基、MT15とTK10では6基の古墳が共伴関係に在ることが分かる。図12の「百舌鳥・
古市古墳群の編年」では、円筒埴輪Ⅳ式とⅤ式を斜めの線で区切り共伴があるとし、須恵器は横線で区切り共伴が少ないとしているが、それは逆で、円筒埴輪ⅣとⅤを横線で区切り、須恵器は斜線で区切った方が良いと思えた。ただ共伴の期間が短い場合は横線で区切って、その区切りの前後には共伴関係が存在すると考える方が分かり易いように思えた。
図K12にもあるようにTK23とTK47は少しのずれがあるが同時期のものであると思えた。表16で重要なことは、TK23とTK47の双方に円筒埴輪Ⅳ式とⅤ式が存在することだ。私は、円筒埴輪Ⅳ式でTK23とTK47が存在する期間を7.5期として中期の終わりに定め、円筒埴輪Ⅴ式でTK23
とTK47が存在する期間を後期の初めと整理した。実年代は図K12「百舌鳥・古市古墳群の編年」を基本として編年表を作成した。表K17は古墳中期は円筒埴輪Ⅳ式の時代で400年から、古墳後期は円筒埴輪5式の時代で470年からという明確な3期区分が出来あがった。
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