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30-14.ローマ帝国からビーズは来たか [30.ガラス素材は弥生時代から造っていた]

G93 東ローマ.jpg宇津久志1号墳出土の重層ガラス玉が金泊を含有し、ナトロンガラス製である分析した奈良文化財研究所の田村朋美氏は、重層ガラスビーズは黒海沿岸の1~3世紀頃の遺跡から多く出土、ナトロンガラスはローマ帝国で作られたものとして、これらが陸のシルクロードを通って来たものか、海のシルクロードを通って来たものか、様々な可能性を考える必要があるとしている。 

アジアの海上ビーズ交易(
Asia’s Maritime Bead Trade)によると、金の重層ガラスビーズ(Sandwich gold-glass beads)は、インド・東南アジア(タイ・マレーシア・ベトナム)・中国広州で出土しているという。ベトナムのオケオ遺跡からも金の重層ガラスビーズが出土している。オケオとタイ湾を挟んで対岸にあるタイのスラットタニ県のLeam Pho遺跡からも、金の重層ガラスビーズが出土している。また、分析された3個のビーズの組成は、K2O=1.6% MgO=0.18%Na2O=18.1%であり(K2O+MgO)/Na2O=0.10でナトロンガラス製であった。 

私は前章で、
弥生時代後期から古墳時代において、ソーダガラスとアルミナソーダガラスのビーズや製造技術が我国に伝わった源流は、ベトナム南部の古代国家扶南国の港、海のシルクロードの拠点であったオケオOc-Eo)であったと推察した。宇津久志1号墳出土の金製の重層ガラス玉はオケオからきたものであろうか。日本で出土した重層ガラス玉には、植物灰のソーダ石灰ガラスやアルミナソーダガラスで製作されたものもあり、インド・パシフィックビーズの匂いがする。
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