25-6.インディカは天然ハイブリッド米 [25.インディカの起源を探る]
インディカが生れたバンチェン遺跡やノンノクター遺跡の地域には、熱帯ジャポニカのモチも栽培されていたので、インディカのウルチ、熱帯ジャポニカのモチ、そして野生イネのニヴァラの交配が起こり、多くのインディカ品種が誕生した。
図B78はWaxy遺伝子から見たイネの系統図である。一年生の野生イネのニヴァラの花に、熱帯ジャポニカのウルチG(F)の花粉が数代に渡り受粉して、インディカのウルチG(F)が生れ、その花に熱帯ジャポニカのモチT(G)の花粉が受粉して、インディカのモチT(G)が生れている。そして、その花にニヴァラの花粉が受粉して、インディカのT(R)が生れている。T(R)はウルチとモチの中間的な形質である。
図B79Waxy遺伝子の塩基配列で見られるように、「G」と「F」においては、熱帯ジャポニカとインディカは全く同じで、イントロン最初の塩基がただひとつG→Tに変わり、ウルチがモチに変っている。インディカの「R」とモチ「G」とは、イントロンの塩基25個は全く同じで、プロモーターの塩基32個の内12個が違っている。この大きな違いは、野生イネのニヴァラの遺伝子が、形質を決める核の遺伝子と混ざったためであると推察した。
インディカのT(R)はインディカのウルチG(F)と交配し、インディカのウルチの主力品種G(A)・G(B)が生れている。野生イネのニヴァラの遺伝子は、この主力品種G(A)・G(B)に受け継がれることになる。現在、ハイブリッド米と言って、縁遠い品種を交配させ雑種の強さを生かす品種改良の研究がある。その中には栽培イネと野生イネの交配も行われている。インディカは自然が作ったハイブリッド米である。インディカがジャポニカに比べ、多くの地域で栽培されているのは、野生の血が入った生命力のある、そして収穫の多い品種だったからであろう。
Waxy遺伝子に基づいたインディカの系統図に、その栽培地を記し、図B80に示した。インディカのウルチG(F)にも、モチT(G)にもタイの名がある。インディカのT(R)には、バングラデッシュとインドネシアだけでタイの名がないが、きっとタイの在来種にもT(R)があると考える。インディカの主力品種のG(A)は中国南部とインドシナ半島で栽培され、G(B)はインド・スリランカなどインド大陸で栽培されている。タイの東北部のコラート台地で誕生したと比定したインディカが、どのようなルートでアジアに広がったかを考えてみる。
図B78はWaxy遺伝子から見たイネの系統図である。一年生の野生イネのニヴァラの花に、熱帯ジャポニカのウルチG(F)の花粉が数代に渡り受粉して、インディカのウルチG(F)が生れ、その花に熱帯ジャポニカのモチT(G)の花粉が受粉して、インディカのモチT(G)が生れている。そして、その花にニヴァラの花粉が受粉して、インディカのT(R)が生れている。T(R)はウルチとモチの中間的な形質である。
図B79Waxy遺伝子の塩基配列で見られるように、「G」と「F」においては、熱帯ジャポニカとインディカは全く同じで、イントロン最初の塩基がただひとつG→Tに変わり、ウルチがモチに変っている。インディカの「R」とモチ「G」とは、イントロンの塩基25個は全く同じで、プロモーターの塩基32個の内12個が違っている。この大きな違いは、野生イネのニヴァラの遺伝子が、形質を決める核の遺伝子と混ざったためであると推察した。
インディカのT(R)はインディカのウルチG(F)と交配し、インディカのウルチの主力品種G(A)・G(B)が生れている。野生イネのニヴァラの遺伝子は、この主力品種G(A)・G(B)に受け継がれることになる。現在、ハイブリッド米と言って、縁遠い品種を交配させ雑種の強さを生かす品種改良の研究がある。その中には栽培イネと野生イネの交配も行われている。インディカは自然が作ったハイブリッド米である。インディカがジャポニカに比べ、多くの地域で栽培されているのは、野生の血が入った生命力のある、そして収穫の多い品種だったからであろう。
Waxy遺伝子に基づいたインディカの系統図に、その栽培地を記し、図B80に示した。インディカのウルチG(F)にも、モチT(G)にもタイの名がある。インディカのT(R)には、バングラデッシュとインドネシアだけでタイの名がないが、きっとタイの在来種にもT(R)があると考える。インディカの主力品種のG(A)は中国南部とインドシナ半島で栽培され、G(B)はインド・スリランカなどインド大陸で栽培されている。タイの東北部のコラート台地で誕生したと比定したインディカが、どのようなルートでアジアに広がったかを考えてみる。
2012-02-09 00:00
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