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25-3.栽培イネと野生イネのルーツ [25.インディカの起源を探る]

B74 イネ系統樹.jpg京大学の大坪栄一氏等は、イネのWaxy遺伝子内に散在している動き回る遺伝子、レトロポゾンp-SENE1を分析し、イネの進化について調べている。動き回る遺伝子について最初に唱えた、マクリントックという女性科学者は、ノーベル賞を受賞したくらいであるから、これを理解することはさておいて、その研究の成果としての栽培イネと野生イネの系統樹を図B74に掲げる。この図は「Polyphyletic Origin of Cultivated Rice(栽培イネの多系統起源))」2003年のCheng等の論文から引用した。 

図は分かり易くするため品種名は国名に変え、中間的な品種は省いている。また、多年生のルフィポゴンはルフィポゴン、一年生ルフィポゴンはニヴァラと書き変えている。栽培イネのジャポニカ(青)とインディカ(紫)、野生イネのルフィポゴン(赤)とニヴァラ(緑)の系統樹を見て分かることは、ジャポニカは野生イネのルフィポゴンと先祖が同じであり、インディカはニヴァラと先祖が同じであるということだ。
 面白い事に、見方によっては一部のインディカはニヴァラより先祖に近くなっている。

野生イネも1万年の間に、突然変異により多様化している。ジャポニカの先祖は、現在のルフィポゴンではなく「
7C7A」のルフィポゴンで、インディカの先祖は、現在のニヴァラではなく「9C8A」のニヴァラであったと考える。なお、「紫」のインディカの枝に「青」のジャポニカが4個あり、「青」のジャポニカの枝に「紫」のインディカが1個ある。そして、「赤」のルフィポゴンの枝に「緑」のニヴァラが1個ある。これは、前節25-2で述べた「置換型」で、葉緑体DNAと核DNAとが異なる品種であるためだと推察した。この「置換型」がインディカの枝に多いということが、インディカの出生の秘密を解くカギとなった。


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