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9-4.鉛丹は卑弥呼の貢物 [9.卑弥呼の貢物と賜物]

それでは鉛丹についてはどうであろうか。鉛丹(Pb3O4)は赤橙色の顔料で、天然には存在せず、鉛を空気中の酸素と反応させて作られる。神農本草経には鉛丹の言葉が出て来るので、魏の時代中国にはあったが、倭国にはなかったと思われる。古代の漢文は点も句読点もなく、漢字が連なっている文章だ。何処で区切るかで解釈が色々変わってくる。「鉛丹」「鉛・丹」と解釈する。鉛は金属の鉛でなく、その原料の方鉛鉱、丹は丹砂(朱・朱砂・辰砂)であったと考える。 


図24中国水銀鉱山.jpg図24に秦・前漢・後漢・唐時代の、中国の水銀鉱山を示す。これらの資料は地質ニュース361号、「中国史にみる水銀鉱」、岸本文男を参照した。これを見ると魏の領域には水銀鉱山がなく、魏は水銀の原料の丹(丹砂)を欲しがっていたと思われる。倭人伝に「倭国の山には丹がある」とあり、また正始四年の朝貢では丹を献上している。これらより、丹は倭国から魏への貢物と考えた方が、整合性が取れる。また鉛についても同様である。                       (図をクリックすると大きくなります

 
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