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9-2.卑弥呼が魏王から賜った物 [9.卑弥呼の貢物と賜物]

景初2年に女王卑弥呼が魏王より授けられた賜物の品は、親魏倭王金印と、絳地交龍錦(赤地に龍の錦布)5匹(10反)、絳地縐栗罽(赤地に縮みの毛織物)10張、蒨絳(茜染めの布)50匹、紺青(濃紺の布)50匹である。また特別に、卑弥呼に対して紺地句紋錦3匹、細班華罽5張、白絹50匹、金8両(111g)、五尺刀2口、鏡100枚、真珠・鉛丹(赤橙の顔料)各50斤(11Kg)であった。 

卑弥呼の貢物は、男子奴婢4人、女子奴婢6人、班布5反(23m)であった。これだけの貢物にしては、卑弥呼は破格のお返しを貰っている。魏の真意は何であったのであろうかと、疑問が湧く。
 

正始元年(240年)に帯方大守弓遵は使いを倭国に遣わして、倭王に詔書を奉じ、印綬・錦・罽・帛(白絹)・金・刀・鏡・采物を与えている。景初三年と正始元年とを比較すると、蒨絳・紺青・真珠・鉛丹が抜けて、采物が加わっている。中央公論社「倭人の登場」では、采物の解説に「身分を示すための彩色や模様を施した旗や衣服」としている。これらからすると、采物は身分を示す茜色の蒨絳と、濃紺色の紺青の布に相当すると考えられる。これらより、真珠と鉛丹は、卑弥呼は貰ってないことになる。

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